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2010/6/3 木曜日

【アクセサリーの作り方】ゴム型編その6このエントリをはてなブックマークに追加【アクセサリーの作り方】ゴム型編その6のはてなブックマーク被リンク数

ゴムも焼き終わり、周りのはみ出した部分も切り取ったので、これで最後の工程です。

これからメスで切り開くのですが、まずは切るのに邪魔な円錐台を取り除きます。
【アクセサリーの作り方】円錐台をとる
私はいつもメスの柄の部分でほじくり出します。

円錐台が取れたら、浅い切り込みを一周入れます。
【アクセサリーの作り方】ゴムを切る
ただ真っ直ぐ切るだけではなく、後でゴムがずれにくいようにギザギザにしたり凹凸をつけたりして切るのが大事です。

その後ゴムをチカラいっぱい開きながら切っていきます。
【アクセサリーの作り方】ゴムを切り開く
半分位切り進むとこんな感じになります。
この工程の難しいところは、中身が見えない状態で切っていかなければならないこと。そのへんは経験でカバーします。
(2液混合型のゴムだったら、透明なゴムもあります)

切り終わったゴム型はこんな感じです。
【アクセサリーの作り方】ゴム型完成
私はこんな感じで4隅を凹凸にしています。

このゴム型に溶けた蝋を流しこんで複製するわけです。
(複製したものは、多少手直ししないと使えません。)

量産するにも結構な手間暇を掛けているんですね。

カテゴリー: ゴム型 — io @ 23:15:16

2010/5/31 月曜日

【アクセサリーの作り方】ゴム型編その5このエントリをはてなブックマークに追加【アクセサリーの作り方】ゴム型編その5のはてなブックマーク被リンク数

焼き始めてから40分後。ホットプレスの電源を切って、冷めるまで待ちます。
(冷める前だとゴムが膨張している状態なので、取り出すのが大変です。)

ホットプレスから取り出しました。
【アクセサリーの作り方】焼き上がり
油性マジックで絵を描いたティッシュが完全に一体化しています。
そして、ゴムが飛び出していますね。

では、枠から取り出します。
【アクセサリーの作り方】枠から外す
この枠を取り出すときに、【アクセサリーの作り方】ゴム型編その1で塗った洗剤が役に立ちます。
洗剤を塗っていない状態だと、アルミ枠にゴムが張り付いてなかなか取り出せないんです。

それでは次に、はみ出したゴムを切り取ります。
【アクセサリーの作り方】バリを切り取る
昔はメスで切っていたんですが、最近はめっきりハサミ派です。
ジョキジョキいっちゃいます。

それでは最後の工程。原型を取り出します。

続く…

カテゴリー: ゴム型 — io @ 21:39:21

2010/5/28 金曜日

【アクセサリーの作り方】ゴム型編その4このエントリをはてなブックマークに追加【アクセサリーの作り方】ゴム型編その4のはてなブックマーク被リンク数

ゴムが詰め終わったので、次はゴムを焼きます。

では、ゴムを詰めたアルミ枠の上にアルミ板をのせます。
【アクセサリーの作り方】アルミ板をのせる

この状態で焼きます。まぁ「焼く」と言うよりも「加熱する」と言った方が正確かもしれません。
ただ、熱を加えただけではちゃんと硬化しないので、ゴムを上下から圧迫する必要があります。

ここで登場するのがホットプレスという機械です。(【アクセサリーの作り方】ゴム型編その1でひっぱったやつですね。)

【アクセサリーの作り方】ゴムを焼く
これがホットプレスです。
この機械は、上から押さえつけて加熱するだけの単純な機械です。

これで約140℃で40分ほど焼きます。(ゴム型の厚みによって時間を変えます。)

では焼きあがるまで待ちましょう。

続く…

カテゴリー: ゴム型 — io @ 21:31:23

2010/5/27 木曜日

【アクセサリーの作り方】ゴム型編その3このエントリをはてなブックマークに追加【アクセサリーの作り方】ゴム型編その3のはてなブックマーク被リンク数

前回ゴムを半分詰めるところまでやったので、次はアクセサリーの原型をのせます。

【アクセサリーの作り方】原型を置く
ちょうど真ん中辺りにアクセサリーの原型と、円錐台を置きます。ちょっと埋め込んでやる感じですね。
真鍮のもの円錐台ですね、この部分が後で蝋を流し込む入り口になります。

そうしたら、次はゴムを上に詰めます。

【アクセサリーの作り方】ゴムを乗せる
このように、アクセサリー原型自体を埋め込んでしまいます。

埋め込んだあとにティッシュペーパーを上に敷いて、油性マジックで中に入っているものの絵とかを書いておくと、後で分かりやすいです。

ゴム型の数が多くなると、どれがどれだか分からなくなっちゃうんですよ。
さらに、焼き終わったゴムにはマジックでも書けないんです。
正確には、書けるけどすぐ消えちゃう。
こうやってティッシュペーパーでやるとしっかり残ります。

え?埋め込んだのをどうやって取り出すのかって?
それはまた後のお楽しみ。

続く…

カテゴリー: ゴム型 — io @ 22:32:49

2010/5/26 水曜日

【アクセサリーの作り方】ゴム型編その2このエントリをはてなブックマークに追加【アクセサリーの作り方】ゴム型編その2のはてなブックマーク被リンク数

前回からの続き。

まずアルミの枠とアルミ板に中性洗剤を塗ります。
これをしておかないと後で困ります。(理由は後ほど)
【アクセサリーの作り方】アルミの枠に洗剤を塗る
※写真のアルミ枠は2つ同時に作れるものです。一つのものもあります。

そして、塗った後にティッシュで拭き取ります。
いえ、別にふざけてません。
薄く塗りたいんです。

次に、アルミ枠の下にアルミ板を敷いて、熱加硫式のシリコンゴムをアルミ枠の厚さの半分位まで詰めます。
【アクセサリーの作り方】ゴムを敷く
このゴムは熱を加える前は粘土状なんです。

続く…

カテゴリー: ゴム型 — io @ 22:30:50

2010/5/25 火曜日

【アクセサリーの作り方】ゴム型編その1このエントリをはてなブックマークに追加【アクセサリーの作り方】ゴム型編その1のはてなブックマーク被リンク数

アクセサリーの作り方ですが、前回までは全部まとめて説明していたんですが、ちょっと大変なので、数回に分けて説明します。

さて、ジュエリーやアクセサリーを量産するときに必要なのがゴム型です。

ゴム型とは、その名の通りシリコンゴムでできた型なんですが、シリコンゴムで型を作るにはいくつか方法がありますが、ジュエリー・アクセサリーの制作でよく使われるのは2種類です。

1つ目は主剤と硬化剤を混ぜて時間を置くと硬化する、「2液式」と呼ばれるゴムを使う方法。この方法は、ジュエリー・アクセサリー以外でもよく使われています。

もう1つは、熱で硬化させる「熱加硫式」と呼ばれるゴムを使うタイプです。
今回はこの熱加硫式の方法を紹介します。

【アクセサリーの作り方】ゴム型を作るのに必要なもの

これが必要な道具ですね。ざっと説明します。
アルミ枠、アルミ板×2、メス、熱加硫式シリコンゴム、円錐台、ジュエリー・アクセサリーの原型

後は写っていないもので、油性マジック、中性洗剤、ティッシュ、ホットプレス(熱と圧力を加える機械。あとで写真が出てきます)

こんなものを使ってゴム型を作っていきます。

次回へ続く…

カテゴリー: ゴム型 — io @ 19:17:30

2010/5/13 木曜日

アクセサリー作りの基本となる2つの方法このエントリをはてなブックマークに追加アクセサリー作りの基本となる2つの方法のはてなブックマーク被リンク数

アクセサリーの作り方(金属の加工方法)は、鋳造(ちゅうぞう)と鍛造(たんぞう)の2種類に分けることが出来ます。

今回はその2つの特性について、実際の作業写真と一緒に説明してみようと思います。


どうしよう。折れちゃった…

鍛造と鋳造1この写真は、鋳造で作ったパーツの下の部分がちょっと歪んでいたので直そうとしたら折れてしまったものです。

鋳造と言うのは、以前にアクセサリーができるまでで書いたような、ワックス(蝋)で作った型を石膏に埋めてからワックスを溶かし出し、その穴に溶かした金属を流し込む方法です。
溶かして流し込むので、内部に気泡が残った状態になりやすいんです。

大げさに言うとスポンジ状態です。
なので、多少脆くなります。ただ、複雑な造形が可能となります。

ボタニス(リスの名前)が興味津々で眺めてますね。

さて、この折れたものをどうするか?


何もなかった事にする

鍛造と鋳造2とりあえずなかった事にしちゃいましょう。
都合の悪いことはなかった事にするのが一番♪
というわけで、削りとってしまいます。

ボタニス(リスの名前)しつこいですね。きっとお腹が減っているんですね。


パーツを作る

鍛造と鋳造3銀の丸線(針金のこと)を曲げて、できるだけ同じようなパーツを作ります。

これが鍛造です。
鍛造は、金属を叩いたり曲げたりして作る方法です。
金属を鍛えているので強度がでますが、複雑な形を作るのが難しくなります。

こらボタニス(リスの名前)ここは危ないからあっちへ行ってなさい。


くっつけちゃう

鍛造と鋳造4くっつければ完了です。
作業工程の関係上チェーンとボタニス(リスの名前)もくっつきました。

全体的に白くなっているのは、火を当てたからです。
銀は火を当てると表面が曇って白く見えるんです。

このためにボタニス(リスの名前)がいたんですね。


このように、鋳造と鍛造どっちも出来るようになると修正も簡単にできるんですね。あとは仕上げれば完成です。
*2010.05.14追記:完成したアクセサリーの写真はHerbarium.の新作アクセサリーというエントリーに載せました。

ちなみに普通の電車の車輪は鋳造で、新幹線の車輪が鍛造だそうですよ。

カテゴリー: アクセサリーの作り方 — io @ 18:40:45

2010/4/19 月曜日

アンティーク調真鍮製アクセサリーの仕上げ方このエントリをはてなブックマークに追加アンティーク調真鍮製アクセサリーの仕上げ方のはてなブックマーク被リンク数

鋳造後の真鍮
以前に説明したアクセサリーの作り方の通りRuelle by Herbarium.のアクセサリーは鋳造で創っています。
今回は鋳造で創った真鍮製アクセサリーの仕上げ方を説明します。


バレルをかける

湯道鋳造から出来上がってきた状態のアクセサリーは、写真のように金属を流し込んだ場所がついたままの状態です。この部分を湯口(湯道)といいます。
この湯口(湯道)をヤスリで削りとってしまわないといけません。
ただ、鋳造直後の金属はすごく柔らかく、そのままヤスリをかけると簡単に変形してしまいます。
ではどうするか?
ヤスリをかける前に、バレルという機械で真鍮の表面を硬化させます。



磁気バレル1バレルとは写真のようなステンレスのピンと一緒にアクセサリーを高速回転させる機械です。
一緒に回転させることによりピンがアクセサリーにぶつかって、真鍮の表面が硬化します。


磁気バレル2このバレルという機械には遠心力で回すものや磁力で回すもの等いくつか種類があって、私は磁力で回す「磁気バレル」というものを使っています。
ぎゅるーんぎゅるんしてますね。



全体をヤスリで整える

削った後バレルをかけ終わったアクセサリーの湯口をヤスリで削ります。


全体を整えるそして湯口以外の部分もヤスリで整えたあとに、再度バレルをかけます。
今度のバレルはヤスリでできた小さな傷を消す目的もあります。



アンティーク調にする

古美表面をアンティーク調にするために、薬品を塗って表面を変色させます。


銀黒私は銀黒という薬品を使っています。シブイですね。
この銀黒というのはシルバーを黒くさせるのにも使います。


仕上げ全面を黒くしたあとで金属磨き用のクロスなどを使って部分的に磨くと、いい感じにアンティーク調になります。


コーティング液そのままだと時間の経過とともに表面が汚くなっていってしまうので、コーティング液に浸けて乾かします。



組み立てる

組み上げて完成
チェーンや金具をデザイン画通りに組み立てたら完成です。

カテゴリー: アクセサリーの作り方 — io @ 13:05:01

2010/4/12 月曜日

カードケースにもなる革の小物入れの作り方このエントリをはてなブックマークに追加カードケースにもなる革の小物入れの作り方のはてなブックマーク被リンク数

Herbarium.のパッケージ
アクセサリーブランドのパッケージは、紙製の小箱にロゴをプリントしたり箔押ししたりするのが一般的なんですが、Herbarium.ではそれをやりたくなかったので、革を使って自分でデザインし創っています。
ただ、パッケージなのでそんなに手間をかけられません。
というわけでそれほど手間をかけずに、それでいてちょっとおしゃれなパッケージになるよう考え出したのが今のパッケージです。
ちなみに、Herbarium.のパッケージはカードケースにもなるようなサイズで作っています。

今回は、そんなカードケースにもなる革の小物入れの作り方を紹介しちゃいます。


革を裁断する

革を裁断するまずは革を切ります。
まぁ当たり前ですね。
サイズは269mm×80mm
カッターナイフで簡単に切れます。



革を接着する

革を接着する端から93mmのところで革を折り、接着します。
革がつく接着剤(木工用ボンド等)とか両面テープでもいいのですが、私はテープのりを使っています。



革に穴を開ける

ハンドプレス機縫わずにカシメを使うので、その穴を開けます。
以前はポンチを木槌でガツガツ叩いて穴を開けていたのですが、最近はハンドプレス機を使っています。(1号機というなんともあれな名前がついています)


穴を開けるこんな感じ。
端から五ミリの位置に適当な間隔で穴を開けます。
Herbarium.のパッケージの穴は20.5mm間隔で開けています。



カシメる

カシメ金具さて、カシメ金具の出番です。


カシメ金具を差し込む穴にカシメ金具のオス側を差し込みます。


カシメるここでまた1号機の出番です。
カシメ金具のメスを合わせてカシメます。(以前はこの工程も木槌でガツガツやっていました。)


カシメた後こんな感じになります。


カシメ終了同様に全部カシメます。



ゴム紐でフタをとめます。

ゴム紐を付けるゴム紐を通す穴を開けてゴム紐を片側に通します。
そのゴム紐を通した真鍮のパイプの端をニッパーのようなものでつぶして固定します。
この時に、ゴム紐をパイプの中に入れすぎないように注意。(反対側が入らなくなっちゃいます)


反対側も同じようにゴム紐を適当な長さに切り、反対側も同じようにパイプをつぶして固定します。


パイプの代用品最初はこんな感じの電気用のモノで留めていたのですが、今は長い真鍮のパイプを買ってきて切って使っています。



スタンプを押す

スタンプを押すスタンプを押して完成です。
革に押せる速乾性のブリリアンスというスタンプ台を使っています。



おまけ

不良品おまけ見つけました。
なんと!カシメ金具の不良品です!
嬉しくない…
まとめて2000個とか買うと、どうしてもこういうのが入っていたりします。

カテゴリー: アクセサリーの作り方 — io @ 18:13:46

2010/4/6 火曜日

アクセサリーができるまでこのエントリをはてなブックマークに追加アクセサリーができるまでのはてなブックマーク被リンク数

アクセサリーブランドHerbarium.[ハーバリウム.]のセカンドブランドRuelle by Herbarium.の新作が完成しました。
現在発表準備中です。(サイトを作っているところ)

でも、とりあえずプレ発表がてら、作り方を紹介します。
Twitterで作り方を途中まで紹介していたのですが、ブログでは完成までまとめて書いちゃいます。


ワックスでパーツを作る

ワックス原型作り1まずはワイヤー状のワックスを潰して平らにします。
ここで綺麗に潰しすぎないのがコツ。

シート状のワックスを切って作る方法もあるのですが、今回はロートアイアン(※)がモチーフなので、綺麗な平面じゃない方がリアルな雰囲気が出るのです。

そして、綺麗な曲線になるように注意しながら曲げます。
この綺麗な曲線に曲げるのがちょこっと難しいのです。

※ロートアイアンとは鍛鉄のことで、熱した鉄を叩いて潰して曲げて門扉や手すりを作るヨーロッパの伝統工芸です。


ワックスのパーツを組み合わせる

ワックス原型作り2すこしずつパーツを作りながら組み上げていきます。
作っては付け、付けては作る。その繰り返しです。
この工程で注意するのはバランスです。
全体のバランスを見ながら組み合わせて完成です。
今回はネックレスなので、チェーンを付ける方法を考えないといけません。
後の写真と見比べるとわかるのですが、この後で両端にパーツを取り付けています。


ゴムで型をとる

ゴム型業者さんにシルバーで鋳造してもらい、その原型の型をゴムでとります。
シルバーになったものをゴムに埋め込んで、硬化させた後にメスで切り開きます。
(このゴムの作り方については、また今度。)
このゴムに溶かしたワックスを流し込むと同じものが出来ます。


仕上げて完成

完成業者さんに真鍮で鋳造してもらったものを仕上げれば完成です。
ここまで来るのに結構時間がかかります。
早くても2週間くらいですかね。

通常は、
————————————
デザインを考る

デザイン画を描く

原型を作る
————————————
という流れなのですが、私の場合は

  1. 有機的なラインが入り組んだデザインが多いので、描けない
  2. 価格を抑えた一点物がメインなので、描いてから創るとコスト的に合わない
  3. 作るスピードが早いので、やり直しできる

などの理由から、デザインを考えながら原型を作る方法をとっています。


今回紹介したロートアイアンのシリーズはネックレス3型、ペンダント7型が完成しています。
近日中に公開しますので楽しみにしていて下さい!

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